公立高校入試分析(理科)

平成31年度の石川県公立高校入試が終了しました。

今日は理科の入試問題を振り返ってみようと思います。


大問1(配点16点)

地学・化学・生物・物理より、語句記述と選択問題がそれぞれ1問ずつ、合計8問の出題(各2点)。

化学の選択問題では、最近流行りの「当てはまるものをすべて選びなさい」という形式の出題がありましたが、問題としてはものすごく簡単な問題なので、特筆するようなことでもありません。


※実際の問題がこちら

アルミニウムと銅に共通の性質は何か,次のア~エからすべて選び,その符号を書きなさい。

ア 電気をよく通す。

イ 熱をよく伝える。

ウ 磁石につく。

エ みがくと特有の光沢がある。



中学1年生で学ぶ、金属の共通な性質についての知識があれば、容易に答えられる内容です。


大問2(配点16点)

生物。中学3年生内容の、「細胞」からの出題。

記述問題が3題出題されました。ここでの記述は基本的内容ばかりでした。

実験結果からの考察を問う問題でやや難しい問題もありましたが、全体的には非常に容易でした。


大問3(配点18点)

化学。中学1・2・3年生内容を散りばめた、広い範囲からの出題。

1つは、こんな問題。


※一部改

【実験】酸素を入れた集気びんを,着火したスチールウール(鉄)にかぶせたところ,熱や光を出しながら激しく反応し,集気びん内の水面が上昇した。

この時,集気びん内に残った気体を調べるために,その気体と石灰水を触れさせた。

次の文は,この実験で確認できたことをまとめたものである。


文中の( あ ),( い )にあてはまる内容の組み合わせを,下のア~エから1つ選び,その符号を書きなさい。


石灰水の色が( あ )ことから,二酸化炭素が( い )ことがわかった。


ア あ:白くにごった  い:発生した

イ あ:白くにごった  い:発生しなかった

ウ あ:変化しなかった  い:発生した

エ あ:変化しなかった  い:発生しなかった



問題だけ見ると、とても簡単そうに見えますね。

石灰水と言えば、「二酸化炭素で白くにごる」ですね。

常識ですよ、ジョーシキ!


答えは、「エ」です。


ひっかかった生徒もいたんじゃないでしょうか。

問題をよく理解できず、いつものような問題だと勘違いした生徒は、「ア」を選んでしまいそうです。

この実験では、二酸化炭素は発生しません。

全国的にも非常に珍しい、面白い切り口の問題だったと思います。


この他にも、1問非常に難しい記述の問題が出題されました。

化学反応の前後で、質量がほとんど変わらなかった理由を問う問題。

こちらでも、問題をよく理解できなかった生徒は、いつものような問題だと勘違いし、「質量保存の法則」を持ち出して解答したことでしょう。

ここでは、もっと深い実験への理解が必要でした。


大問4(配点17点)

地学。中学2年生の、「天気」からの出題。

記述問題は、平易なものでした。

台風の通過についての問題では、図から読み取れる情報を正確に読み取る力が試されました。

ここの選択問題でも、多くの受験生が頭を悩ませたことでしょう。


大問5(配点17点)

物理。中学3年生の、「運動とエネルギー」からの出題。

ここでも記述問題は平易なものでした。

計算問題も2問出題されましたが、定期テスト等でおなじみの問題。

1問はじゃっかん計算に戸惑う数値設定になっているものの、それほど難しくはなかったです。


大問6(配点16点)

生物・物理・化学の融合問題。

さらに言うと、数学の「統計」に関する知識も必要でした。

ここでは化学の記述問題が2問出題がありましたが、水の循環に関する記述は非常に難しかったです。

付け焼刃の受験対策では、敵わなかった相手だったでしょう。



と、客観的な分析というよりも、主観的な感想を述べてみました。

全体的には非常に簡単な入試だったと振り返ります。

簡単な問題が多かったです。

しかし一方で、ものすごく難しい問題もそれぞれに散りばめられていました。


これから受験を向かえる生徒らは、この「ものすごく難しい問題」に気を取られすぎることなく、まずは「簡単な問題を確実に解く」という姿勢を身につけて欲しいものです。


入試の理科では、知識の土台がしっかりしている者が勝ちます。

ざっと見ての感想です。


教科書内容を十分に理解している生徒は、それだけで8割程度の得点が可能だったでしょう。


奇をてらった問題ばかり解いていては、しっかりした土台は作れません。

基礎練習を大事にして、決してゆるがない、強固で、大きな、知識の土台を作っていきましょう。


来年の戦いも、楽しみにしております。

西野でした。

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この記事へのコメント

受験生
2019年03月07日 22:30
こんばんは。
理科の解説がアップされていたので質問させてください。
理科6の問3(2)ですが、
水面付近の水は温度が高くなり、底の水は対して温度が低く、水面の水が密度が小さい為循環しにくいから。
は、正解になりますか?
宜しくお願いします。
受験生
2019年03月08日 13:08
何度もすみません。
もう1つ、理科の問題の中で16は16.0でないと間違いですか?
今日学校で聞いたら「質量保存の法則」の言葉を私用して回答した人が多かったですが やはりバツになりますか?
西野
2019年03月08日 18:01
受験生さんへ

コメントありがとうございます。
ご質問の件に関して、順に回答いたします。

>理科6の問3(2)ですが、
水面付近の水は温度が高くなり、底の水は対して温度が低く、水面の水が密度が小さい為循環しにくいから。
は、正解になりますか?

まず、入試の採点基準は各高等学校によって差異があるということを前提にお話をします。
よって、全く同じ解答であっても、ある高校では4点、また他のある高校では2点、ということも考えられるわけです。
各高校の採点基準は公表されておりませんので、ここでのコメントはあくまで私個人の意見として、ご参考にして頂ければ幸いです。
西野
2019年03月08日 18:02
受験生さんの解答は、重要なポイントは十分に指摘できております。ただし、問題文中の「水面付近の水と底の水を比較し」という条件に十分に足りる解答かというと、じゃっかん心配な部分が見受けられます。
温度については十分に指摘できておりますが、肝心の密度に関する指摘が不十分です。
「水面の水が底の水よりも密度が小さいため」などのように、ここでも比較の文章が望ましいです。

もちろん、最も重要なポイントは十分に指摘できている解答ですので、満点も狙える解答ではあります。しかし、『密度に関する比較の文章がないものは減点』といったような採点基準を設けている学校では、減点対象となるでしょう。
西野
2019年03月08日 18:02
>もう1つ、理科の問題の中で16は16.0でないと間違いですか?

これはおそらく問題ないでしょう。
有効数字が2桁のものと3桁のものが混在している問題ですので、ここでは×にはならないと判断します。
「小数第一位までにそろえなきゃ」という指摘ももらいそうですが、図2中の高さで「20cm」との表記もあることから、どちらでも良いと断言します。計算で「16cm」を導けたことで、十分に評価されるでしょう。
高校化学にて、有効数字についてはもっと厳しい基準を習いますので、そこで改めて学習すればOKです!

>「質量保存の法則」の言葉を私用して回答した人が多かったですが やはりバツになりますか?

この問題に関しては、質量保存の法則を用いて答えるのは非常に困難かと思います。
質量保存の法則とは、「化学変化の前後で、物質の総質量は変化しない」という法則です。
ここでは、鉄と酸素の化学変化による質量の変化の他に、食塩水の蒸発、つまり状態変化による質量の変化についても言及する必要があります。

決して、『質量保存の法則という語句を用いれば×』というわけではありません。
水の状態変化を踏まえた上で、質量保存の法則について記述してあれば、十分に評価もされ得るでしょう。しかし、質量保存の法則のみについて言及したものは評価されないでしょう。

以上です。
少しでも参考になれば幸いです。

ブログを読んでくださって、こうやって質問をいただけることを、光栄に思います。
ありがとうございます!!
合否の結果が出るまで落ち着かない日々が続くかと思いますが、受験生さんに素敵な結果が届くことを、お祈りいたします!!

また他に何かあれば、遠慮なくご質問くださいね。

進学塾スパイクプラス 西野
受験生
2019年03月09日 00:07
とっても詳しく回答して下さりありがとうございました。嬉しいです!
もしかしたらダメかな、、、と思ってたので少し期待がわいてきました!

社会の質問もしてよろしいですか?
大問5の3の2ですが、領事裁判権を認めていたこと。とイギリスを抜かしました。
これは✖でしょうか?
また、大問4の2ですが、臨海部に設置する事で海外への輸送や輸入に便利であるから、というのは全くの視点違いですよね。
代表
2019年03月09日 18:02
社会は私がお答えしますね。

まず、大問5の3の2についてですが、
今回の問題では内容について問われています。
したがって「イギリス」の文言が抜けている場合、
解答が不十分となります。
西野先生もお答えしていた通り、学校ごとに採点基準には差があります。
よって、少なくとも減点、あるいは誤答扱いになると思われます。

大問4の2についてですが、、、
ご質問内容と問題が違うと思うのですが、、、
大問4の2は選択肢を選ぶ問題ですので
理由説明などは必要ありません。

ご質問ありがとうございます。
合格発表までは不安になることも多いでしょう。
しかしながら、すでに試験自体は終わっております。
どっしりと構えて合格発表をお待ちください。(*^-^*)

なにか不明な点があれば、またお問い合わせくださいね。


受験生
2019年03月10日 16:49
回答ありがとうございました!
大問4の件は、4(2)の間違いでした。
すみません。
本当にドキドキです。
ずっと志望していた高校で、最後の最後までボーダーライン上でした。
でもチャレンジ出来て良かったと思ってます。
信じて待ってみようと思います!
ありがとうございました。

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