オクレバセナガラモサクラサク

出勤前の午前11時頃、続けざまにラインの着信音が鳴ります。

未読メッセージを知らせる赤い文字が、「3」の数字を示しております。

さっき起きたばかりの重い体を起こし、スマホに目をやります。


「出勤してから、暇な時間にゆっくり返信すればいいか・・・」


筆不精なワタクシ、すぐに既読はつけども、返信するタイミングはいたってマイペース。

ストレスのない状態でしかラインの返信はしない、というのは、昔から変わらないマイルールの1つです。

プライベートなやり取りでは、丸1日以上返信しないなんていうことは日常茶飯事で、それでも何も文句を言わない貴重な友達だけ、今でも仲良くさせてもらっています。

急ぎの用ならば電話をかければよいし、急ぎでないラインやメールならば、ゆっくりできる時間にゆっくり送りたい、というのが昔から変わらぬ自分の気持ちのようです。


家庭学習に努めている生徒らには申し訳ないですが、質問ラインにしても「24時間以内には必ず返す」という約束の下で対応しています。

あくまでも、一番に大事にしているのは、目の前のことに最も注力すること。

目の前で困っている生徒がいたら、それを優先するのは当然だ、と考えているためです。



それでも、何か急な要件がラインで伝えられているかも知れません。

内容の確認だけは、できるだけ素早く行うように心がけております。

赤文字が示した3件のラインは、全て、錦丘高校の高3生、M君から送られてきたものでした。


1件目

「先生」

2件目

「なんか」

3件目

「後期受かってました笑」


つい先ほど起きたばかりの重たい体に、みるみるうちに熱が広がる感覚を覚えます。


「まじか!?」


M君には大変失礼な暴言ですが、思わず一人で声をあげてしまいました。

自分でもビックリな速度で、わずか2分後にお祝いのメッセージを返信していました(笑)。

お祝いの言葉を早く伝えたいような、早く謝りたいような、そんな気持ちでメッセージを打ち込みました。



正直なところ、後期は厳しいと言わざるを得ない状況でした。


「私立大学へ行くことになっても、最後までやることをやり切って行くんやぞ」


M君から前期試験不合格の知らせを受けた際、こんなことを言って励ますことしかできませんでした。

前期試験に挑戦したのは、富山大学。

そして、後期試験の出願先も、富山大学。

前期試験よりも後期試験の方が難しいことは、火を見るよりも明らかなことです。

当初から、「前期がダメやったら、私立大学への進学は覚悟しとかんなん」と、何度も確認して臨んだ受験です。

共通テストを終えた時点では、前期の合格は十分に狙える状況。

本人も過去問演習などでは十分に手ごたえを感じていた様子でしたから、それだけに、前期不合格の結果は大変悔しいものでした。

最後まで諦めてはならないと伝えたいという気持ちよりも、一緒に現実を受け入れてやらなければという気持ちが勝り、


「最後までやり切ろう」

「やり切った結果がダメなら、それはそれでいいじゃないか」


そんなことしか言ってやれませんでした。



受験の世界は、甘くありません。

一生懸命に頑張っていた生徒の全てが、報われるわけではありませんから。



周りの皆が次々に進学先を決めていく中、M君は、いつも通りに静かに後期試験に向けて努力していました。

ときおり、

「同級生の〇〇君っていう子は、△△大学に行くことになったんですよ!アイツはすごいですわー。

□□君っていう子は、関東の方に行くんです!コロナが落ち着いたら、遊びに行きたいですねー。」

などと、屈託のない笑顔で友人の合格を嬉しそうに語っていた姿が印象的です。

「自分自身の受験でも、こんな笑顔にさせてやりたかったなー・・・」

そんな風に感じながら、嬉しそうに語るM君の様子を見ておりました。



突き付けられたE判定。

彼にはどのように映っていたのでしょうか。

受験の世界は、本当に甘くない。

A判定でも、当日ダメならダメ。

一度ダメと決まったら、ほとんどの場合でそれは覆らない。

積み上げられた努力が実を結ばないことなど、何度も何度も経験させられています。

夢を見ることも、現実を見ることも、同じくらい大事なんだと、何度も何度も思い知らされています。



しっかりと現実を受け止めなければという気持ちは、おそらくM君が一番に感じていたことでしょう。

いつも元気な彼ですから、後期試験も不合格であっても、間違いなく、元気な声で「私立で頑張ります!」なんて言ったことでしょう。

そんな心構えでいたものですから、

「後期受かってました笑」

の瞬間に、思わず出た言葉が

「まじか!?」

だったわけです。




受験の世界は、甘くありません。

そして、時にこんな奇跡を見せてきます。

何がその奇跡を呼び込んだのか、因果関係の解明は全くできておりません。

前期試験は相性が悪く、後期試験は相性が良い、なんてことも全くありませんでしたから。

ただ、不合格が決まったときに、いつも通りの笑顔で、いつも通りに頑張っていたM君の姿が、はっきりと目に焼き付いています。

そこに何か原因のかけらがあるような気がするのは、やはり非科学的だと批判されるしょうか・・・。

時に、こんなことは起こります。

色んな気持ちを凝縮させて、

「最後まで、やり切ろう」

今年もこんなことを伝えていくんだろうと思います。



「先生のおかげっす」

と、大変失礼な言葉遣いで、大変素敵な感謝の言葉を送ってくれた彼に、また一つ大切なことを教わった気がします。

とんでもないっす。

大変嬉しい言葉を頂戴しましたが、もちろん、手柄を横取りする気はないっす。

最後までやり切ったことに胸を張って、堂々と富山へ向かっておくれ。

皆より少し遅れた分、住む場所だとか何だとか、急いで準備しなきゃですからね。

入学式までもうあとわずか。

早く次に向けて、行動していきましょう。

やっぱり、大切なのは、これからですから、ね。



私からの激励は、

「ちゃんと4年で卒業しろよ笑」

にしておきます。



合格、おめでとう!!

今年ももっと頑張るんやぞ!!

西野より。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

面白い
ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント